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明治鬼恋慕
第7章 血の華

「ごめん、焔来…!!」
謝るリュウの気弱な顔は、さきほど野党たちを殺した少年と同じものとは思えなかった。
「焔来はずっと人里で暮らしてきたから…っ─人間を食べることに抵抗があるんだよね。ごめん、そこまで考えが回らなくて!」
「……っ」
「僕はよかれと思って聞いたんだ」
「…べつにっ、リュウが謝ることじゃない…!!」
焔来に嫌われたのではないかと、不安一色な瞳を向けてくるリュウ。
“ ……違うんだ、リュウ ”
それを前にして、焔来は胸が痛くなる。
わかってる。リュウは悪くないんだ。
俺が忘れていただけなんだ。
「鬼」にとって人間は…食料にすぎない。
さっき食べた川魚と同じなんだってこと。
変なのは俺のほうで…!
こんなふうに……
ポタっ──
「…!!」
「焔来、泣いてる、の……!?」
「…、ごめ…っ」
こんなふうに傷付いてる俺のほうが、おかしいんだってことぐらい知ってる。

