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明治鬼恋慕
第7章 血の華

花びらと同じ赤色だ。
もし街に行けたら、代わりの着物買わなきゃなって…そんなことを焔来は思った。
金なんて、持っていないけれど。
「──…」
焔来は項垂れた。
じっと焔来を見つめていたリュウは腰の刀に視線を移す。
彼は迷っていた。
「僕は──、…」
話すべきか、話すまいか。
自分のことを話したら、今度こそ焔来に嫌われそうで怖かったから迷っていた。
「僕は、焔来と出会うまで……」
「……」
「──人間を、殺しながら、生きてきたから」
焔来の顔色を伺うように
一言ひとことをゆっくりと、リュウが話しだす。

