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明治鬼恋慕
第12章 陰間茶屋

「よし行くぞ、…立てるか? 怪我は?」
先に腰をあげた焔来が腕を掴んで引っ張ると、リュウはよろけながら立ち上がる。
「痛むよな…っ、これ」
「いや……っ、ハァ、平気さ…!!」
「ぜんぜん平気じゃないだろ!」
焔来から見てもわかるくらいにリュウの様子はおかしかった。
支えるために触れた背中は熱くて、表情も険しい。
嫌な予感がした。
「まさかお前も狂骸湯を…!?」
「…っ…違うよ」
「なら何されたってんだよ!」
焔来といえど、決して万全な身体ではない。
まだ手先の痺れはとれておらず全身を蝕む熱もおさまっていない。
けれど…リュウの異変に気付いてしまえば、自分の体調なんてそっちのけだった。

