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明治鬼恋慕
第13章 迎撃

リュウの持つ銃が憲兵に向けて火を吹いた。
それは右肩に命中し、自らの血飛沫を目にした憲兵が泣き叫ぶ。
それでも命乞いは続いているのか…
憲兵は何かを懸命に訴えているが、それはリュウにとって耳障りな雑音でしかなかった。
もう黙れとでも言いたげに、二発目が轟く。
憲兵の身体が後ろに飛ぶ。
孔の空いた胸を上にして、両手を広げた格好で動かなくなった──。
「……」
「…どうして…だ」
煙のあがる銃口に目をやって、リュウはそれを地に捨てた。
無言の彼は焔来に振り返る。
焔来は信じられないといった顔で立ちすくみ、とてもリュウと目を合わせられる状態ではなかった。

