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明治鬼恋慕
第13章 迎撃

「どうして、殺した…!? こいつ…っ、もう戦う気なかったのに…!!」
「──…」
責め立てるような焔来の口調──。
彼の気持ちを理解できないリュウでもないから、戸惑うことはなかった。
「こいつらは僕たちを殺しに来たんだ」
「それは、そうだ。けど…っ」
「…なのに自分は死にたくないだなんて、むしが良すぎない?」
「……っ」
銃を捨てた手で、リュウは刀を掴む。
ズプッと肉から刃が抜かれ、刀身にまとわりついた血は着物を使って綺麗に拭き取られた。
「人間なんてうんざりだよ。弱いくせに…いつも僕らの邪魔をする」
だから──と
リュウは足元の死体を見下ろした。
その隣で、憲兵を乗せてきた馬がゆったりと来た道を引き返していった。
雪の上に転がる、主の身体を踏まぬようにして。

