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明治鬼恋慕
第13章 迎撃

「──…だから…死ねばいいと、思って」
冷悧な顔を屍に向け
長い睫毛を半分ふせて、起伏のない声で言い放つ。
「こいつ等がみんな死んだら、僕たちは異端じゃなくなるんでしょう?」
「……!」
「人間なんてひとり残らず…死ねばいいのに」
「…本気で…言ってるのか…?」
「うん」
焔来が聞き返すと、リュウは笑みを浮かべた。
「君と僕の二人さえ生きていれば……きっと、何もかもが正解なんだ」
ハッとした焔来がリュウに顔を向ける。
彼は笑っていた──どこか儚げに。
その儚い笑顔は、自分の口にした言葉がいかに無価値なものかを知っている表情だった。

