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明治鬼恋慕
第13章 迎撃

そんな彼の笑顔を見た焔来は、胸がざわついてしかたがなかった。
ドクドクと…耳に五月蝿い。
わざわざこんなに大きな音で知らせなくても、わかっているのに。
ドクン、ドクン
《 人間なんてみんな、死ねばいいのに 》
ドクン...
《 焔来、どうか…── 》
リュウの言葉が耳にこびりついていて
なのに──
そんな焔来の脳裏には、何故か、 過去に失った両親の姿が浮かんでいた。
《 どうか、人間をうらまないで…っ 》
泣き崩れる母が、彼に最期に残した言葉。
それが鮮明に思い出される。
思い出したところで辛いだけなのに。

