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明治鬼恋慕
第13章 迎撃

“ 何が違う? ”
リュウも母さんも、同じ「鬼」でありながら
…何故、こうも違うのだろうか。
どうして母さんは人間を愛したのか。
どうして、リュウは人間に対してこれほど冷酷でいられるのか。
…わからない。
“ なら、俺は……? ”
俺はどちらだ?
俺はどちらの道を選べばいい?
「夜叉」である俺。
人でも鬼でもない、間の子( アイノコ )の俺は──
「──…」
何を恨んで、何を、愛せば……?
「…リュウ…、俺、お前に──」
「……」
「話さなきゃならないことが、ある…!!」
「……どんな?」
そこで焔来は、ふと気付いた。
まだ正体を明かしていない──今の自分は、リュウを騙しているも同然だということに。

