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明治鬼恋慕
第13章 迎撃

自らに流れる人間の血が、たった今 この瞬間…
リュウを欺いているということに。
「…っ、俺は、リュウと違うんだ」
…でもどう伝えればいい?
「…何が、違うの?」
「それは……!」
俺はお前を傷付けたくない。
どんな言葉で告げればいい?
俺は鬼じゃなくて
リュウが憎む人間の血が、この身体に流れているんだってこと──。
「……っ」
俺は夜叉だから。
俺たちは、一緒じゃない。
違うんだ。
「──…ゆびきり」
「……え?」
「ゆびきり、げんまん」
「…っ」
「…クス…覚えてる? 焔来が僕にしてくれたおまじない」
次を言い出せず口ごもる焔来に
リュウはしっとりとした優しい声で、唐突な言葉を挟んだ。

