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明治鬼恋慕
第14章 決別
「お前のよみは正しい。確かに私は人間…お前は鬼ではない。夜叉だ」
「やっぱ、そうなのか」
「──…だが、それが何か困ることか?」
「……っ」
困るだって?
困るなんてものじゃない。
「鬼」と「夜叉」はまるきり違うんだ。俺をどちらにも属せない半端者に産んどいて、よくそんな呑気でいられるよな。
「俺は…っ、夜叉になんて生まれたくなかった」
人間と、鬼。
俺は──どちらにもなれない。
どちらの世界でも生きられない。
ひとりぼっちじゃないか。
....
「──…それは間違いだな、焔来」
「……なにが、だよ」