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明治鬼恋慕
第14章 決別



「お前は鬼でもあり、人間でもある」


「……っ」


「──だから希望なんだ」



父は焔来の頭に手を置いた。

置かれた掌は子供の時の記憶よりもずっと大きくて──静かな威厳に満ちている。



「お前には人間の弱さや優しさが理解できるが、それだけじゃない。鬼の孤独や寂しさも…身を持って知っている」

「……っ」

「そうだろう?」

「俺は…──ッ」


焔来にはその手を払いのけることができなかった。

どんなに強がっても、父の温もりに込み上げる懐かしさを否定できない。

それに──


「俺には無理だよ…っ。俺は馬鹿で、リュウを頼ってばっかの弱虫で……それに、それに」

「……」

「それに、人間、殺したんだ。刀で首を切り落とした! 相手の挑発にのせられて…っ」


懐かしさを覚えればそれだけ
変わってしまった自分自身に卑屈になる。

そんな焔来は思わず感情的に声を荒げた。


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