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明治鬼恋慕
第14章 決別

「……!!」
憲兵の声がやむ。
その返り血は…リュウの頬まで飛び散った。
「…焔来…?…そこにいたんだね」
「……っ」
「まだ寝ていてもよかったのに」
そしてリュウは顔を上げた。
焔来の姿を見つけて、いつものように笑う。
でも──
「──…ほむ…ら?」
焔来の顔が、目に入り
その表情を読み取った時…勘の鋭い彼は
「………………どうして?」
彼は、全てを察してしまった。
.....
「……どうして……君まで、そんな目をするの」
「……っ、あ……俺は……!」
リュウと焔来の視線が絡まり、ほんの一秒ほど。
たったそれだけの時間が、二人の間を繋いでいた大切な何かを──バラバラに、壊した。

