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明治鬼恋慕
第15章 理由

あの頃の人間たちと同じ目だ。
あの頃──僕をひとりぼっちにした目。目。目。
もう誰に向けられようと、気にしなくなっていたのに。
焔来さえ側にいてくれるなら僕はひとりじゃなかったのに。
…なのに
ドウシテ気付いてしまったの?
僕が " 化け物 " だってこと。
僕が……狂っているということに。
気付きさえしなければ、僕たちはずっと一緒にいられたのに。
「クク……、…ぜん ぶ、無駄だったんだ…っ」
君にだけは、気付いてほしくなかったよ。
焔来にだけはばれないように、何年も何年も…隠し通してきたのに、さ。

