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明治鬼恋慕
第15章 理由
自分の反応がどれだけリュウを傷付けるのか、わからなかったわけじゃない──。
「…ご めん…ッ リュウ、リュウ……!! 俺がっ……こんな、弱いせいで」
わかっていて拒絶した俺は最低だ。
「お前が怖いんだッッ…お前は俺を守るために、なんだって する……!! そんなお前だから……!!」
俺にだけとことん優しくて、俺だけに心を開くリュウ。
お前の存在はいつからか…俺にとって重荷だった。
「……許せ…ッ…なん て」
──言えねぇ
「リュウ…!! ぅ゛、ああああ……っ」
俺は狂ったみたいに叫んでいた。
自分がリュウを殺したんだという事実が、俺の脳ミソをぐちゃぐちゃに掻き回してくる。
…痛いなんてもんじゃない。
こうなったら狂骸湯( キョウガイトウ )でもなんでも飲んで、本当に狂っちまったほうが楽になれる。