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明治鬼恋慕
第16章 吐露
焔来は青ざめた。
裏切られた絶望のあまり心臓を撃ち抜いたリュウが、それでもこうやって焔来に陶酔し続けるのは何故なのか。
「なんで俺なんだ…!?」
「…フ…今さら、聞くの?」
焔来への異常な拘りは、どこからくる?
「…焔来が…、っ…好きなんだ」
「──…ちッ──違う! そうじゃない!」
「……!?」
「そうじゃあない!…やめてくれ…!!」
こんなのはおかしい。
焔来はとうとう堪えきれず、頭が割れそうな大声で叫んでいた。
「俺はっ…違う…!!」
「……焔来?」
「お前は俺に騙されてるッ……俺は──リュウが望んでるような奴じゃないんだ…!!」
リュウが求めているのは、" 鬼 " である焔来。
同じ鬼として巡り合った焔来だから、リュウはこれほど固執しているのだ。
「俺は──…夜叉だ」
「──…」
「初めから…っ…お前が望むような仲間じゃなかったんだ……俺は…!!」
「…………ぇ?」
秘密を打ち明けるのに、一番嫌な機会だ。
よりによってこんな時に話すことになるなんて…どうかしている。