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明治鬼恋慕
第16章 吐露
焔来が──夜叉?
「………鬼……じゃあ、…ない?」
焔来が、鬼じゃない?
「焔来、が……?……まさか……そんな、筈」
「俺の半分は人間だ…!!」
「人間……?」
「…ずっと…隠してた…!! …俺も、確信が持てなくて。狂骸湯を飲んでやっと…。…でも、お前に伝える勇気がなかった」
「…………」
今度はリュウが口を閉ざす番だった。
焔来から目をそらし、床の一点を茫然と見つめ…荒い呼吸だけが続いている。
根底を覆されたせいで
何から考えればいいのか…混乱しているのだろう。
ポタ...
滴る血。
押し黙ったリュウを前に、焔来は新たな罪悪感にさいなまれる。
“ リュウが怒るのは当然だ… ”
やはりリュウは、鬼でない自分を許さない。
こうなると知っていたならむしろ、もっと早くに打ち明けるべきだった。
そうすればリュウに抱かせる傷痕も浅くなっただろうに──。
ポタ
ポタ...
「っ…リュウ、何年も騙していて…──ッ」
「………」
「…ごめ………!?」
....
零れていたのは、血ではない