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明治鬼恋慕
第16章 吐露
リュウが手を伸ばす。
焔来に向けて差しのべた…わけではなく、掌を下に、指を開いて焔来の肩を掴んだ。
「……っ」
「……それほど、君は」
肩を掴まれた焔来はリュウに引き起こされた。
細い腕からは想像できない力で、強引に立たせられる。
そして次の瞬間に、奥に敷かれたむしろの所に突き飛ばされたのだ。
「…うッッ…リュウ…!」
「それほど……!!」
乱暴に焔来を投げたリュウは、眉間に縦シワを刻んで顔を歪ませる。
“ 焔来が鬼じゃないだって!? そんな、の…っ ”
「──…それほど僕から逃げたい? そんな…嘘を…っ…ついてまで……!!」
「……っ」
「夜叉だなんて嘘……ついてまで……!! そんなに僕が嫌いなの!?」
「…ッ…!? 嘘じゃない!」
焔来が鬼ではない──。
その事実を受け入れられるほどリュウが冷静な筈がないではないか。
焔来がしまったと後悔するも、すでに取り返しが付きそうにない。