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明治鬼恋慕
第4章 鬼狩り
「…まぁいいか。こうして焔来が戻ってきたなら」
取り乱した焔来に対して、リュウの声は変わらずゆったりとしていた。
「君が戻ってきたら話があるって言ったの、覚えてる?」
「…リュウ…っ…今は、何も……」
「大事な話だ」
「……っ」
当然、今の焔来はリュウの話を聞く余裕など無い。
けれどリュウも譲らなかった。
凛とした声が──狼狽える焔来に投げかけられる。
「──…政府が僕たちを探している」
「……っ」
「五稜郭での戦を終えて…旧幕府軍を制圧した明治政府が、本格的に鬼狩りを始めた」
「…ッ─…んで…!!」
「憲兵たちが周辺の村を捜索しているんだ。ここもいつ…奴等の手がはいるか…」
「…なんで…──だよ…!!」
「…、焔来」