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明治鬼恋慕
第4章 鬼狩り
「…俺の両親は…鬼狩りにあって殺された…」
「……」
「俺が十の時でッッ…父さんと母さんは、俺だけを村から逃がしてくれて──…でも、二人は」
二人は逃げられなかった。
どうしてだ?
村はずっと平和だった。俺たち家族は人間を一度も傷付けなかった。
村の人間とも…良い関係を築けていた。
なのに
鬼だとわかった瞬間、村の人間はあっさりと手のひらを返したんだ──。
「逃げた俺は…っ…落方村にたどり着いて、のたれ死ぬところを千代様に助けられた」
千代様は優しい。
身元も知れない俺を助けて、良くしてくれる。
「──…でも俺は怖い…!!」
「……」
「いつか…また、繰り返されるんじゃないのかって…!! 今の幸せも、一瞬で消えてしまいそうで」
「焔来…」
「俺は怖いんだ……リュウ……っ」