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明治鬼恋慕
第4章 鬼狩り

いつも明るい焔来が泣いている姿を初めて見た彼女は、すぐに心配して駆け寄ろうとした。


「え…!? 泣いて、る…!? どうして…っ」

「それ以上──…焔来に近付かないで下さい」

「…っ…リュウ…」


しかしそれを止める声がかかる。

見上げると、橋の上にリュウがいた。



「…リュウ…っ…あなたまでここに?」


千代はこの美しい少年が苦手だった。何故ならば、いつも彼からは自分への敵意を感じるからだ。

彼女は思わずリュウから目を背けて、土手の下の焔来に顔を戻す。


「……?」


でも…どうしてだろう。

焔来もまた彼女から目を背けたのだ。


“ 焔来……? ”


千代を、先ほどまでとは違う不安が襲った。


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