この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
明治鬼恋慕
第4章 鬼狩り
「リュウ!? お前…っ」
焔来は焦燥し、リュウを止めようとする。
「……僕たちは、人間じゃない」
「リュウ! 駄目だ言うな!」
「貴女たちが憎んで止まない、鬼です」
しかしリュウは、あっさりと真実を告げてしまった。
「…おに…?」
「鬼です」
「焔来が…!?」
「そうです」
千代の手から、持っていた草履がこぼれた。
地面に落ちたそれを呆然と見下ろして…彼女は固まっている。
リュウは構うことなく続けた。
「もうじきこの村に政府からの憲兵が来ます。彼等は貴女の父上に…村にいる鬼を探しだして引き渡すよう命じる」
「‥‥」
「貴女は焔来をかくまって下さいますか?…鬼を庇う者は僕らと同罪…。貴女も、死罪となりますが」
「死 罪‥」
千代が言葉を繰り返す…。
焔来はやりきれない表情で彼女の様子を伺い
「……!」
その時の彼女の顔を見て、全てを悟った。