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明治鬼恋慕
第5章 出立

それに続いて…
何とも言えない、聞いたことのない……焔来の艶っぽい喘ぎ声が。
「‥‥‥!!」
全てを察するしかない千代は顔から色を失い
何も言葉が出てこなかった。
『 俺は別に千代様のことが好きなわけじゃない…──そんな感情はない、本当だ……!! 』
勇気を出して聞こうとした、焔来の気持ち。
その答えがこうして返されたのだ。
千代にはもう焔来への用事がなくなり、早足に駆けてきた道を、また戻るしかない。
「──…」
彼女はそのまま無言で
気付いたら、自分の家に着いていた。

