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明治鬼恋慕
第7章 血の華



しかし、そんな単なる脅しも


リュウにとっては十分すぎるきっかけだった。




───シュッ─




「…?」


「‥‥ぁ゛‥‥!? ガ‥‥‥!!!」




空( クウ )を切り裂く音。


人間の目では追えない速さでリュウの刀が鞘から抜かれている。


ほんの一瞬の沈黙をはさんで、きょとんと間抜け面をさらす野党たち。



その中のひとり──

先ほど焔来に向かって刀を振るった男が、喉の奥から気味の悪い声を出して呻いていた。




「おいお前!!」


「ぅ゛ぅぅぅ‥!! ヴぁ、ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁーー!!」



それは誰が聞いたってわかる。
断末魔の声の──他にない。


切られた首を見せ付けるように上を向き、苦しそうに仰け反った男は、血を吐き出しながら死んでいった。



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