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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第11章 睡眠姦 編 3-1  
美奈は頷き、身を乗り出した。

「でもね、こんなことは思春期の女の子には珍しい事ではないのよ。正直に言うけど聖杏学園の女の子から何人も相談にのっているのよ。その都度大丈夫と励まして、効果的な治療法を説明しているの」

「治療って・・・私は病気なんですか?」
「違うわよ。心配しないで」

美奈は加奈の両手を握って熱く語った。

「いい?誰にだって性欲はあるでしょ。高校生にもなればオナニーして当然だわ。男の子なんて毎日してるかもしれない。グラビアアイドルやクラスの可愛い女の子を思い浮かべてね」
瞳を覗き込むような美奈の視線に、加奈は目を逸らし俯いた。

「でも女の子の中には、精神的にオナニーが悪いことだと思い込んでしまう子もいるの。
そして勉強やクラブ、友人関係や進路のこと、更に気になる異性のことで気が付かない内にストレスが溜まって、寝ている間に発散させるために、無意識のうちにオナニーをしてしまうことがあるのよ」

気になる異性・・・と聞いたところで加奈がピクッと反応したことを、美奈は見逃さなかった。

「だから昨日の加奈さんの様に・・・」

意図的な沈黙に耐えられなかったのか、加奈は頭を振った。

「・・・無意識でも、ストレスを発散させるために身体が性的な刺激を求めてしまったのね、加奈さんは・・・」

本当は美奈の作り話でも、加奈にとっては認めたくない現実を突きつけられて、ますます深く俯いてしまった。

「ほら、顔を上げて。そうやって発散するのは悪い事ではないのよ・・・さて、それじゃ治療法を決める前に問診をさせてもうわ。正直に応えてね」

クリップボードを取りだした美奈が、カチカチとボールペンの頭を弾いた。
ようやく顔を上げた加奈は、どういった理由であってもオナニーをしていたという、他人には知られたくない秘密を何度も指摘されたからか、また泣き出しそうな表情をしていた。

「まずは、人に相談していない悩み事がないかしら?一人で抱え込んでいる様な悩み事は」
「別に・・・悩み事は、ありません」
 
やけになっているのか、大した時間も掛けずにあっさりと答えた加奈を、美奈は気にも留めずに問診を続けた。

「そう・・・異性関係ではどうかしら。付き合っている人は、いるの?」

「・・・はい、います」

彼氏がいるかいないか、の質問には加奈は時間をかけて答えた。

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