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女子大生 水野果歩
第28章 女子大生 水野果歩(28)
4人とも大分お酒を飲み終えて、盛り上がっていた時間から少し落ち着いて、みんなソファに座りゆったりとした時間になった時、富田がふいに口を開いた。
富田 「それにしても、大変だよなぁ果歩ちゃんも、遠距離恋愛ってのは。」
果歩 「え・・・あ・・・はい・・・。」
突然富田にそんな事を言われ、友哉の事を思い出してしまい果歩の顔が少し沈む。
秋絵 「富田さん、そんな事言ったら果歩ちゃん嫌な事思い出しちゃうじゃないですかぁ。」
富田 「あ・・・あはは・・・あ~ごめんごめん!そんなつもりじゃなかったんだけど。」
富田はばつの悪そうな顔で慌てて謝った。
果歩 「い、いいんです・・・別にそんなお気遣いして頂かなくても・・・。」
秋絵 「フフ・・・あ、そうだぁ果歩ちゃん。彼との事、富田さんと山井さんにも相談してみたら?一応私達より恋愛の経験値はあるだろうし。」
山井 「ハハッ!一応じゃなくて、ありまっせ~経験値、特に富田さんは。そうっスよね?」
富田 「おうおう!果歩ちゃん、俺達でよかったら相談にのるぜ?恋愛相談なら馴れたもんだからさ。」
果歩 「で、でも・・・そんな・・・」
そんな事を言われても、富田達に言ったところで状況が変わるとは思えなかったし、せっかく楽しい飲み会を暗い雰囲気にしてしまうのではと、果歩は思った。
秋絵 「ねぇ果歩ちゃん、今日は果歩ちゃんを励ます会でもあるんだし、ここで思っていること全部言っちゃえばきっと気分も楽になるわよ、ね?富田さん達がしっかり受け止めてくれるわ。そうですよね?富田さん?」
「そうそう!誰にも言わずに悩みを溜め込んじゃうのはよくないぜ?」
確かにそうかもしれない・・・ここで胸に詰まった苦しい思いを吐き出してしまえば少しは楽になれるかもしれない・・・
アルコールが回っていたせいもあるかもしれないが、果歩は誰かに今の自分の状況を擁護してもらいという気持ちになっていた。
こんなかわいそうな自分を慰めてほしいという弱い心に。