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女子大生 水野果歩
第66章 女子大生 水野果歩(66)
知子の言葉でやっと食事に手をつけ始めた果歩。しかしその表情は依然暗いものだった。

いつもなら知子の持ち前の元気な励ましを受ければ、元気を取り戻していたかもしれない。

しかし、今回は状況が違う。

果歩は言えなかった。

一晩とはいえ、友哉以外の男性と関係を持ってしまった事を。


そんな事、知子ちゃんには絶対言えない・・・


寂しさと辛さに流される自分を止める事ができなかった。

そんな自分の弱さと、友哉や真剣に相談にのってくれる知子への罪悪感が果歩を苦しめていた。



夜、雑貨屋さんのアルバイトを終え、アパートの部屋に帰宅した果歩はシャワーで汗を流した後、パソコンのスイッチを入れた。

いつもなら、帰ったらすぐチェックしていたメール。

毎日友哉からのメールを読むのが楽しかったあの日々・・・

しかし、今は結果が怖くてすぐには見る気分にならなかった。


・・・また何も届いてなかったらどうしよう・・・


カチ・・・カチ・・・

心細そうな表情でメールボックスをチェックする果歩。

果歩 「・・・・・・・」

じっとパソコンの画面を見つめる果歩。

そしてしばらく画面を眺めていた果歩は無言でパソコンを閉じた。


果歩 「・・・ハァ・・・・」


ベッドに倒れこみ枕に顔を埋めた果歩。

友哉からのメールは届いていなかった。

果歩 「・・・友哉・・・・・。」

寂しさと胸を締め付けられるような苦しさが果歩を襲う。


・・・もうヤダ・・・こんなのもう・・・忘れたいよ・・・



『嫌な事は全部忘れるくらい気持ちよくしてやるよ・・・』

『ァ・・・ハァァ・・・気持ちいいです・・・』


ふと昨日の冨田と過ごした時間を思い出す果歩。

あの時間、富田と繋がっている間はこの苦しみを全て忘れることができた。

甘く蕩けるような快楽の世界で、ただただ本能のままに、快感を感じるだけの世界。

その世界が今はとても愛おしく感じる。

またあの世界に行けば、この苦しみから逃れられるのだろうか・・・。


そんな事を思っていると、果歩の手は自然と自身の下半身へ伸びていった。
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