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女子大生 水野果歩
第91章 女子大生 水野果歩(91)
・・・ガチャ・・・
ドアを開けた瞬間、目に眩しい昼間の明かりを感じると同時に、キッチンの方から漂ってくるなんだか懐かしいような香りを鼻で感じとった富田。
・・・なんだ?・・・この匂い・・・
その香りが漂ってくる方、キッチンを覗く富田。
そこにはここへ昨日着ていた服をきちんと着た果歩がキッチンのコンロの前に立って、何やら作業をしているようだった。
富田 「・・・・・何・・・やってるんだ?」
果歩 「ぇ・・・?あ・・・おはようございます・・・あの・・・」
声に気付き、富田の方へ振り返った果歩は、いつも通りの可愛らしい笑顔で富田にあいさつをした。
富田 「・・・・・。」
富田は目を細めて、火の付いたコンロに上に乗った鍋に視線を送る。
果歩 「・・・ごめんなさい・・・キッチン勝手に使っちゃって・・・」
富田 「・・・・何か・・・作ってるのか?」
果歩 「えっと・・・あの・・・味噌汁を・・・」
富田 「味噌・・・?冷蔵庫には飲み物くらいしか入ってなかったろ?買ってきたのか?」
果歩 「はい・・・すぐそこのスーパーで・・・ご飯はあの・・・炊飯器もなかったからおにぎり買ってきた
んですけど・・・お腹、空いてませんか?」
富田 「・・・・・・フッ・・・」
富田は微笑しながらキッチンに立つ果歩の後ろに近寄っていく。
男より先に起きて、食事を作る果歩の健気な行動が、なんだかとても可愛らしく感じた。
鍋の前に立つ果歩の後ろに立ち、果歩の肩を抱く富田。
果歩 「・・・ぇ・・・富田さん・・・?」
富田 「果歩・・・料理・・・できるのか・・・?」
富田はそう果歩の耳元で呟きながら、果歩の首に口付けをする。