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女子大生 水野果歩
第96章 女子大生 水野果歩(96)
その晩、富田が食事に連れて行ってくれたのは焼肉店であった。

焼肉店と言ってもそれぞれの席が個室になっていて、店内には大きな揃ったワインセラーまで完備しているという高級焼肉店だ。

アルコールは取らなかったが、富田と山井は本当によく肉を食べる。

一皿何千円もする高級肉を次々と口に放り込んでいく2人の食欲に、果歩は驚きの表情を見せていた。


そして食事を終えると、3人は富田のマンションへと向かった。


山井 「ご馳走様でした富田さん、いやぁマジ美味いっスねぇあの店。」

果歩 「ほんとに美味しかったです。でもまたご馳走になっちゃって…。」

富田 「いいんだよ。あの店はうちのオヤジが融資してる店だからな。」

果歩 「はぁ、そうだったんですか。」


富田の車内に小さい音で流れるジャズミュージック。

果歩はこれから富田の部屋で起きる事を想像せずにはいられなかった。


山井 「そういえば果歩ちゃん、昨日までずっと富田さんの部屋にいたんだって?」

果歩 「ぇ・・・?」


山井は後部座席から前に乗り出すようにして果歩に聞いてきた。


山井 「長い間富田さんと何してたのかなぁ?」

果歩 「・・・それは・・・」

富田 「ハハッ!それは決まってるよなぁ果歩?」

果歩 「・・・・・。」

山井 「あらら、果歩ちゃん顔赤くしちゃって、相変わらず可愛いなぁ・・・でももう富田さんといろんな事しちゃったんだろ?」

果歩 「・・・山井さん・・・」


山井の言葉にただただ顔を赤くする果歩。


富田 「果歩、今日はどうして山井がいるのか、それがどういう意味かわかるか?」

果歩 「・・・・・・。」


顔を赤くしたまま黙り込む果歩。

それは富田の言っている事の意味が果歩には何となく分かっていたからだ。


富田 「フッ・・・どうやら分かっているみたいだな?」

山井 「へへ・・・果歩ちゃん、今夜はいい夜になりそうだね。」

果歩 「・・・でも・・・私・・・」

富田 「不安か?きっとそんな不安はすぐに吹っ飛んじまうよ。」


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