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女子大生 水野果歩
第110章 女子大生 水野果歩(110)
友哉 『・・・果歩?・・・もしかして泣いてる?』


果歩 「・・・ぅ・・・・ぅ・・・・・」


友哉が心配そうに声を掛けるも、電話の向こうから聞こえてくるのは果歩のすすり泣く様な声だけだった。

ここで初めて友哉は気付いた、数週間も彼女である果歩に連絡をしなかった事がどんなに果歩にとって辛い事だったのかを。



初めての海外留学、現地に着いたその日から、とても忙しいながらも充実した毎日。

外国人との交流は考え方の違いや、共感できる部分を発見できて刺激を貰える。

それに苦労はするけど徐々に自分の英語が上達していくのを日々実感することができて、それには満足感もある。

楽し過ぎるほど楽しかった。

しかし、果歩との久しぶりの電話で友哉は気付いた。

自分はその充実感に浮かれていた。

日本にいる大切な彼女の事を少しの間とはいえ、忘れかけていた自分が情けない。

かと言って友哉の果歩に対する愛情が薄らいだ訳ではない。

果歩は友哉が惚れ込んだ大切な女性だ。

こんなに人を好きになったのは友哉の人生で初めての事であったのだから。

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