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女子大生 水野果歩
第143章 女子大生 水野果歩(143)
果歩 「・・・・・・。」


果歩はなかなか声が出せなかった。

それは今富田とベッドの上で裸でいるからであろうか。

電話が繋がり果歩の耳に聞こえた友哉の声は、先週電話したばかりなのに、なんだか随分と懐かしい様な感じがした。

先週はその声に癒され、何事にも代えられない様な安心感を感じていたのに、今は違う。

今は友哉との距離、日本とオーストラリアという物理的な距離以外に心の距離を感じる。

まるで友哉が別の世界の人のよう。


友哉 『・・・果歩?・・・果歩!?どうしたんだよ・・・これ・・・繋がってないのか・・・。』


果歩 「・・・・・。」


富田 「・・・・・。」


依然声が出せないでいる果歩に、富田が目で合図を送る。

そして果歩はそれに従った。



果歩 「・・・・ぁ・・・あの・・・もしもし・・・」


友哉 『果歩!?・・・果歩だよな?』


果歩 「・・・・・うん・・・。」


友哉 『果歩・・・よかった繋がって。大丈夫か?連絡取れなくて心配しちゃったよ。』


果歩 「・・・大丈夫だよ・・・ゴメン・・・友哉・・・。」


友哉 『何かあったのか?メールが返ってこないから、何かあったのかと思ってさ・・・あ、バイトとかで忙しかったとか?』


果歩 「・・・・・うん・・・ちょっとね・・・ゴメンね・・・メール返せなくって・・・最近時間がなくって・・・。」


果歩は悲しそうな表情でそう答えた。

ただでさえ嘘をつくのが苦手な果歩、友哉が相手だと尚更辛かった。


友哉 『そっかぁ、それなら良かった。俺もしかしてメール返ってこないのは、俺がメール返さなかった分の果歩の仕返しなのかと思ったよ。』


果歩 「ぇ・・仕返しなんて・・・私そんな事しないよ友哉・・・ホントに忙しくて・・・・・・アッ!・・・」


平静を装ったように嘘をつく果歩。

そんな苦しい会話の最中に突然果歩の口から甘い声が漏れる。

富田が果歩の電話をしている方とは反対側の耳たぶを舐め始めたのだ。

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