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女子大生 水野果歩
第15章 女子大生 水野果歩(15)

大学が終わり、駅前の雑貨屋のアルバイトも終えた夜、駅近くのコンビニに果歩の姿はあった。

やっぱ長持ちするのは高いんだよね・・・

いくつかのメーカーが並ぶ乾電池のコーナーから、比較的高価なものを手に取る果歩。
少し考えた後、8個入りの物を買い物カゴに入れる。

昨日、中途半端に終った自慰行為から、ずっと燻り続けていた小さな快感の炎とムラムラ感は、この日の夜になっても消えなかった。

昨日の自慰行為後の後悔の念は、一日中続いたこのムラムラ感によって果歩の頭から消え去っていた。

今は一刻も早く自分の部屋に帰り、昨日の続きをしたいという気持ちでいっぱいだった。


「果歩ちゃん」

「え・・・?」

レジに並んでいた果歩は急に後ろから誰かに名前を呼ばれ、少し驚いたように後ろに振りかえった。

「あ、秋絵先輩!」

「フフ、こんばんわ、バイト帰り?」

「は、はい。」

顔を赤くして俯き加減で答える果歩。

なんだか秋絵の目を見て会話ができなかった。

秋絵は明らかに様子のおかしい果歩を見て少し不思議がっていたが、ふと果歩が手にしていた買い物カゴの中の乾電池を見て、ニヤッと怪しげな笑みを浮かべた。


いっしょにコンビニを出たふたり、急に何かを思いついたかのように秋絵が口を開いた。

「そうだ、果歩ちゃん、今からウチに寄っていかない?夜ご飯まだでしょ?昨日作っておいたココナッツ風味のカレーがあるんだけど、どう?」

「わぁ~ココナッツ風味のですかぁ?あ、でもいいんですか?」

「うん、結構たくさん作っちゃったし、一人で食べるより果歩ちゃんと食べたほうが楽しいし。お口に合うかわからないけど。」

「秋絵先輩が作ったカレーなら絶対おいしいですよぉ!」

料理上手の秋絵の手料理が食べられる、断る理由はなかった。

あんな物をプレゼントされて、驚きと少しの疑問はあったものの、果歩の中の秋絵に対する尊敬と憧れの気持ちは消えていなかった。


「フフ、ナンもあとは焼くだけにしておいたのよ。」

「え~ナンも手作りなんですかぁ?わぁ~すごい楽しみぃ!明日知子ちゃんに自慢しちゃおっと。」

秋絵の部屋に向かう間はカレーの話題で盛り上がり、さっきまでの少し気まずい雰囲気はどこかに消えていた。
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