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女子大生 水野果歩
第186章 女子大生 水野果歩(186)
裏切られた・・・もちろん、そんな感情が心から湧いてくる日もあった。

しかし友哉にはどうしても信じられなかった。果歩はそんな女性ではなかったはず。


あの衝撃的な電話の日から数週間後、少しだけ落ち着きを取り戻した友哉は、もう一度果歩へ電話をしてみる事にした。

しっかり話をしたかったのだ。ちゃんとした形での別れの話を。

だが果歩に電話は繋がらなかった。

どうやら着信拒否をされているようだった。


今頃新しい彼氏とイチャついているのかもしれない。

俺の事はすっかり忘れて、新しい彼氏に夢中になっているのだろうと、友哉はそう思った。

電話ができないと分かると、友哉はその場で携帯から果歩のメモリーを消した。

パソコンに入っている果歩とのメールも消したし、机に飾ってあった果歩と2人で撮った写真も破いてしまた。


・・・もう・・・忘れよう・・・


そう決心して、ここでの勉強に集中することにした友哉。

しかし頭ではそう思っていても、心がそう簡単にはいかなかった。

毎日のように果歩が出てくる夢に魘され、食事も喉を通らない。一人でいる時はどうしても果歩の事を思い出してしまう。

勉強になど全く身が入らなかった。

自分はこんなにも弱い男だったのかと…友哉は自分を責めた。

そしてそれと同時に、自分はこんなにも果歩の事が好きだったのかと、思い知らされた。


だが、果歩はもう・・・


留学し始めた時の勢いが全て止まってしまったような、そんな落ち込んだ日々をしばらく過ごしていた友哉。

しかしそれから数ヵ月後のある日、友哉はある人物からの電話を切っ掛けに、再び動き出す事になる。

それはあの果歩の親友で、今はイギリスに留学していると聞いていた、知子からの電話だった。


そして友哉は今、ハッキリとした気持ちを胸に飛行機に乗っている。


友哉 「・・・・果歩・・・」


窓の外を眺めがならそう呟いた友哉。


そう・・・友哉が今乗っているのは、日本行きの飛行機である。

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