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女子大生 水野果歩
第188章 女子大生 水野果歩(188)
友哉 「果歩・・・俺・・・」
友哉が心配顔でそう言いかけた瞬間、果歩は突然小走りで友哉の横を通り過ぎ、逃げるようにしてアパートの階段を上り始めた。
友哉 「果歩!?ちょっと待ってくれ!」
駆け足で階段を上って行く果歩を、友哉も急いで追いかける。
カンカンカンカン・・・!
2人の階段を上る足音が、静かな真夜中に鳴り響く。
必死な様子で友哉から逃げようとする果歩。
しかしそこは男と女、友哉の方が階段を上るのは速い。
階段を最後まで上りきった所で、友哉は果歩の細い手首を掴まえた。
友哉 「はぁ・・・果歩、話があるんだ。それに・・・聞きたい事も・・・俺、果歩の事が心配で・・・」
果歩 「イヤッ!離して!」
果歩は突然大きな声をあげて、友哉の手を勢いよく振り払った。
友哉は果歩のその行動に、思わず手を離してしまう。
友哉 「・・・か・・・果歩・・・?」
こんな風に果歩に激しく拒絶された事のなかった友哉は、驚いた表情で果歩の横顔を見つめた。
しかし果歩はそんな友哉には見向きもせず、自分の部屋へと駆けて行く。
果歩に強く拒絶された事にショックを受けた友哉は、咄嗟に動く事ができず、ただそこで去っていく果歩の背中を眺める事しかできなかった。
ガチャ・・・バタン・・・
そそくさと部屋の中に入ってしまった果歩。
友哉は少しの間その光景を唖然として眺めていたが、混乱する頭を横に振って気を取りなおすと、急いでその部屋の前まで行き、果歩の名前を呼んだ。
友哉 「果歩!?少しだけでも話せないか?果歩!頼むよ!出てきてくれ!」