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女子大生 水野果歩
第194章 女子大生 水野果歩(194)
果歩が泣き止むまで優しく抱き締め続けた友哉。
その後、果歩に服を着させてラブホテルを出た2人は、果歩のアパートへと向かった。
2人寄り添うように、手を繋いで。
以前付き合っていた頃は、友哉は人気のある場所では果歩と手を繋ぎたがらなかった。周囲の視線が気になったし、人前でイチャイチャするようなカップルにはなりたくなかったのだ。
でも今日は違っていた。
周りなんて関係ない。ただ冷たくなっていた果歩の心に自分の体温を送り込もうと、しっかりと手を握ってあげたかった。
少し小さくて、柔らかな果歩の手の感覚は昔のままで、友哉は何だか少し安心した。
友哉 「・・・・・」
共に歩く果歩の横顔を見て、思わず胸の奥から込み上げてくるものを感じる。
よかった・・・と。
一生この女性を守っていきたいと思う。
今はまだ、以前の様な笑顔は果歩には戻ってきていなくても、きっと果歩を幸せにしてみせるんだと、友哉は心の中で誓うのであった。
そしてそれと同時に正直な事を言えば、自分の元に果歩を連れ戻す事ができて、友哉は心底安堵していた。もちろん、友哉は果歩の幸せだけを願っているつもりだった。自分の幸せなんて考えているつもりは無かったのだ。
しかしこうやって果歩の横顔を見ていると、自分もギリギリの所まで追い詰められていたのだと、今になって自覚した。
果歩がもし戻ってきてくれなかったら自分は狂ってしまっていたかもしれない。何もかもが崩れてしまっていたかもしれない。
だから余計に今は、果歩が傍に居る事が嬉しくて、そして愛おしかった。
友哉 「久しぶりだな、こうやって2人で歩くの。」
果歩 「・・・・うん・・・。」
歩いている途中、2人の間に会話は殆どなかった。でも、それでもよかった。
・・・このままずっと、2人で歩いていきたい・・・