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女子大生 水野果歩
第194章 女子大生 水野果歩(194)
友哉 「ん・・・果歩の部屋、相変わらず良い匂いがする。」
果歩 「・・・そうかな、自分じゃ分からないけど・・・。」
友哉はこの果歩の匂いが好きだった。懐かしい部屋の甘い香りに、友哉は思わず微笑んでしまう。
果歩 「お茶・・・入れるね。」
そう言った果歩の表情は穏やかで、やはり先程までとは違っていた。しかしその表情の中からは、まだ精神的な疲れが感じ取れる。
果歩は心に大きな傷を負っている。
その傷は簡単には元には戻らないかもしれないと友哉は思った。
そう、果歩は友哉の想像を絶する体験をしてきたのだから。
果歩 「・・・・あっ!・・・嫌ッ!」
カチャンッ!!!!
床に落ち割れる湯呑、撒き散らばる入っていた温かいお茶。
キッチンからお茶を運んできた果歩が、部屋に入るなり何かに気付いたのか、急に湯呑を床に落として、慌てて机の上に置いてあったある物を、友哉に見えないように隠したのだ。
友哉 「果歩!?だ、大丈夫か?どうしたんだよ急に。」
すぐに立ち上がって果歩の元へと駆け寄る友哉。
果歩 「ごめん友哉・・・ごめん・・・」
友哉 「どうした?・・・ほら、こっち向いて、大丈夫だから。」
果歩は友哉に背を向けて、長方形の長い紙箱を手に取っていた。
そしてその箱と同じものが、果歩の机の上には何箱も置かれている。
友哉 「・・・・!?」
友哉はその箱のパッケージを見て思わず目を丸くした。
『Lサイズ 60個入り』
それはコンドームの大箱だった。しかも机に置いてある殆どの箱が空になっている。
友哉 「・・・・・・」
さすがにこの現状に、友哉は果歩に何と声を掛けたら良いのか迷っていた。
そして少しの沈黙の後、果歩が友哉に背を向けたまま小さく口を開く。