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鮮やかな青
第6章 輝く命
龍虎の睨み合いに、義姉様はますます憂う。ともは勢いに圧倒されたのか、私の着物の裾を掴み固まっている。姉上の夫である宍戸殿は顔を真っ青にしてうろたえるが、止める言葉が見つからないようだった。
一触即発、そこに口を挟んだのは、元春兄上だった。
「新庄」
兄上が、形だけでも妻を諌めて終わるのかと、皆は期待した。が、元春兄上もまた、姉上とは険悪な仲であったのだ。
「馬鹿に構うな。頭が悪くなるぞ」
姉上が、それに怒りを感じないはずがない。床を思い切り踏みつけ立ち上がると、黒々しい気配を纏い怒鳴りつけた。
「元春っ!! あなたがそんなだから、嫁が調子に乗るのではないですかっ!!」
今にも殴りかかりそうな姉上を、宍戸殿が羽交い締めにして止める。
「五龍、暴力は駄目だ! 拳は使うな!!」
「離してください! 人を小馬鹿にした生意気な面に、姉の偉大さを教えてやりますわ!」
女同士の争いは避けられた……にしても、実の姉弟が争っては元も子もない。すると騒ぎを聞きつけたのか、父が血相を変えて部屋になだれ込んできた。
「何を騒いでおるか、お前達は!」