この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
鮮やかな青
第2章 歪んだ性癖
 
「兄が……王、ですか? 将と王の違いとは、なんでしょうか」

「優れた将は、一の恵みで十の領土を得る。優れた王は、一の領土で十の恵みを得る。領土を広げるのは簡単な事ではない、だから将は讃えられる。しかし最後に民が求めるのは、王なのだ」

 それは一見同じ結果のようで、全く異なるものだ。日本の土地は、限られたもの。広げられる領土には上限がある。最後に立つのが王という理屈は、確かに正しいだろう。今が乱世である、という事実を除けば。

「では、十の領土を守るのに優れた者はどちらでしょうか。領土を広げ、恵みを得る。それだけで、国は回りません」

 土地を守るのは、武士の役目である。訊ねてはみるが、それは将だと私は考えていた。だが義隆は、貴族のような高い笑い声を上げて答えない。

「義隆様?」

「今の問いを、余は隆元に問うた事がある。隆元は、領土を守るのは民そのものだと答えたよ」

「民そのもの……」

 戦となれば、民も兵として徴集される。その点を考えれば、民が答えでもおかしくはないだろう。いくら将が優れていても、現実に一騎当千が成せる訳ではないのだ。
 
/113ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ