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鮮やかな青
第2章 歪んだ性癖
浮かれ気分が過ぎたのは、三日三晩続いた婚儀が済み、新しい寝室に戻ったその時だった。
何かする訳ではないが、形式上共に寝ていたともの姿がない。代わりに布団の上に座っていたのは、私と同じ年頃の、化粧した見知らぬ娘であった。
ともの侍女にしては、その格好がおかしい。襦袢だけを身に付けた彼女からは、明らかに女の匂いがする。私が眉を顰めれば、彼女は赤い唇を色っぽく釣り上げてお辞儀した。
「そう固くならなくてもよろしいですのよ。わたくし、とも様の名代として本日は参りました」
「名代?」
「とも様はまだ初潮を迎えてはおらず、女として夜を過ごすのはまだ早うございます。しかし隆景様は、もう立派な男性でございます。とも様が女になられるまで操を立てるのも、お辛いでしょう」
「……お前は、どこの家の娘ですか?」
娘は妖しげな笑みのまま、この茶番を仕組んだであろう者の名を告げる。私はそれを聞き、正直失望していた。
ようするにこの娘は、ともが成長するまで用意された性の捌け口だ。それを大義として抱かれていれば、もしかすると手違いで子を生む事もあるかもしれない。そうなれば、娘は私の側室に上げるしかなくなる。