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鮮やかな青
第2章 歪んだ性癖
娘はしばらく食い下がったが、私が取り合わないと分かるとようやく立ち去る。一人になって私がまず確認したのは、己の機能だった。
危惧していたのは、不能になったのではないか、という疑いである。しどけない女を目の前にして、私は興奮するどころか恐怖を抱いた。武士の嗜みとして女を知らない訳ではない、好んで抱こうと思った事はないが、過去には問題なく果たしたはずである。
だが、私自身を取り出し触れても、冷たく萎びたままで反応はない。抱くのは、焦燥だった。
(これでは、なんのために婿入りしたのか分からなくなる……!)
今はともが幼いため重圧など感じないが、小早川家で求めるのは、ともの血を引いた世継ぎである。それがなければ、私へ家を引き渡した意味を失ってしまう。不能だと思われてしまえば、それこそ家中を纏めるのも難しくなる。義理や人情の話ではない、私は、不能であってはならないのだ。
最悪、ともへの義理立てを理由に他を切り抜けたとして、とも本人が大きくなればどうするのか。幼子とて、いずれは女になるのだ。
私は、焦りながら自身を握った手を上下に擦る。反応があれば、まだ希望は残っている。だが焦りは、余計に気持ちを削いでいた。