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鮮やかな青
第1章 兄の存在
 
 自ずと、私の体はそれを拒んで固まる。額に、脂汗が浮かんでくる。義隆は自身へ滑りを足すと、更に私を掴む力を強めた。

「あっ……ぐ、あっ」

 その手を振り払えないのは、義隆が強いからだ。私とてさして喧嘩の強い方ではないが、前線に立つより和歌を好むこの男を殴り倒すだけの腕力は持っている。

 だが、振り払えない。私がこの男を拒めば、毛利の一族は滅んでしまう――

 めりめりと侵入してきた義隆自身の先が、ずっぽりと私に入る。異物を許さないそこは、早くそれを押し出せと勝手に蠢き始める。

 だがそれこそが、この男を喜ばせる動きなのだ。拒み続ける私を嘲笑うように、彼は私を一気に貫いた。

「がっ……はあっ……!!」

 一気に押し入るそれは、彼の根元で止まる。だが衝撃は体内を走り、胃から口へ、そして鼻から頭の先まで、私を犯した。

「これは……ほほ、中の具合まで、お主は兄にそっくりだ。この締め付け、あの子はほんに良かった……」

 じわじわと抜かれると、排泄の時のような心地良さが走る。だが内壁を擦るのは、私が制御出来ない生き物だ。もう少しで楽になる、そう思ったその時、再び根まで貫かれる衝撃。私の体は、細い腕に操られていた。
 
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