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鮮やかな青
第4章 激動の年
 
「そう……でしょうか」

「こんな賢くて可愛い弟がいて、嫌いになる兄がいる訳ないでしょう。隆景様は、毛利のために力を尽くされています。皆、それを知っていますよ」

 私は乃美殿の言うような、可愛げのある弟ではない。しかし陽気に笑い飛ばされれば、幾分か気持ちは楽になった。

 乃美殿と別れ、別の雑務のために書庫へ向かう廊下での事だった。中庭にはちらほらと雪が降り積もり、灯籠や石が白く染まる。その中央で、ともが侍女に見守られ一人雪遊びをしていた。

 声を掛ければ、ともは両手に固めた雪を持ったまま駆け寄ってくる。

「景さま!」

 雪によく映える、赤い色をした綿入れを着込んではいるが、寒さのせいか頬や鼻の頭まで赤くなっている。しかし本人に寒さを気にした様子はなく、きらきらとした目を私に向けた。

「雪がたくさん降りました! これだけ降れば、雪合戦もできますか!?」

「雪合戦?」

「まえに、景さまが言っていました。雪合戦して遊んだと」

 そういえば、そんな話をしたような気がする。すっかり忘れていたが、ともは何気ない一言を、冬まで楽しみにして待っていたのだろうか。
 
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