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鮮やかな青
第4章 激動の年
 
 彼は、酒に対してとことん真っ直ぐな男なのだろう。夢を語る姿は、武士とも変わらぬ立派なものだった。乃美殿も思うところがあったのだろう、深く頷くと、顎に手を当て唸った。

「珍しいものなら、やはり周防ですかね。大内家は、異国の物を片っ端から集めてますから」

 日本で最も栄えている場所、と問われれば、間違いなく候補に挙がるのが大内の治める周防だ。明との交易により異国の技術を取り入れた町は、今でこそ重税に苦しんでいるが、間違いなく最先端だった。

 だが、私はふと思い出す。そんな大内が、伴天連と対面した時の話を。

「ですが大内義隆は、伴天連を一蹴したそうですよ。あまりそちらには、興味がないのかもしれません」

 布教の許可を得ようと訪れた宣教師に、「同性で交わるのは犬畜生以下だ」と言われ、激怒したとか聞いている。そのような理由で追い返すのだから、あの男の色欲には心底呆れ果ててしまう。そして、その男に犯された私は――

「隆景様、どうしました? なんだか急に、辛そうな顔ですね」

「え? あ……いえ、なんでもありません。伴天連の文化なら、豊後の大友が詳しいかもしれませんね」
 
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