この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
鮮やかな青
第4章 激動の年
 
 自分の手柄を主張せず、あくまで相手を立てる。兄は損をする気質であるが、それは好ましいものだった。

「農民だろうと商人だろうと、人には生きる目的がある。それが定まらない人間相手では、いくらこちらが呼び掛けても運命は変わらないんだ。けれど信念を抱えていても、その叶え方を知らない人間もいる。そんな人間の援助は、僕達土地を治める者の仕事だと思うんだ」

 さらに続く兄の言葉に、私はずっと聞きそびれていた話を思い出す。将と王の違い。大内が兄を王だと言う理由が、私にも掴めた気がした。

「兄様は、どうして酒師が援助の必要な人間だと分かったのですか? 目的のある人間と、ない人間にはどんな違いがあるのでしょうか」

「うーん……別に、分かった訳じゃないよ。ただ、隆景が信頼して任せた乃美殿の選んだ人間だから、きっと愚か者ではないと思っただけ。それと、手広く商売したくないって断られた事かな」

「それがどうして、援助に繋がるのですか?」

「もちろん言葉の通り面倒臭がってる場合もあるけど、大口の依頼に対する不安から断る事もあるから。今まで小さな輪を回していたものが、突然武家から依頼だなんて恐ろしいだろう?」
 
/113ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ