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鮮やかな青
第4章 激動の年
罪悪感からなにやらで気が回っていなかったが、よくよく見れば、私達はいつもと違う道を歩いている。しかし、私はこの道を通る心当たりが、一つあった。
「どこって……お前の屋敷に決まっているだろう。作るって言ったじゃないか」
兄は今さら何を聞くのかと、呆れた声を上げる。しかしその話は、喧嘩で立ち消えになったはずだ。しかも、向かうこの方向。
「無理を言って空けてもらった土地なんだから、嫌だなんて言わないでくれよ」
やっぱり、私が嫌がらせで指した他人の住む土地だ。もういいと、投げ出したはずではなかったのか。
「ああ、前の家主に気を遣う必要はないよ。隆景が目をつける土地に家を持っていただけで誇らしいと、そう言っていたからね」
兄はそう言うが、おそらく簡単に土地を明け渡した訳ではないだろう。きっとその言葉は、兄が元の家主と色々交渉し、言わせたものだ。
私が軽い気持ちで我が儘を言ったのに、怒っていたくせに、結局私の願いを叶えた兄。それも、私への信頼の証……なのだろうか。
ますます、私は熱が高ぶる。と、同時に、申し訳ない気持ちも浮かんできた。