この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
鮮やかな青
第5章 月の影
 
「若殿が大きく構える姿を見せなければ、いつまで経っても跡取りと認められませんぞ。怒りに身を任せ、冷静を失うなどもってのほか。これでは、弟君が継いだ方がましだと言われます」

「……激昂した事は、謝るよ。しかし」

「しかしも何もありません。くれぐれも、若殿が主導しているのだと思われるような振る舞いを取るように」

 確かに先の評定は、怒る兄を私や元春兄上が止めた形だった。とはいえ、それも全て父の掌の上。思った以上に激しかったが、兄が大内に肩入れしなければ父が困るのだ。だが周りから見れば、判断を見誤る長兄に見えたのかもしれない。

「それより元保、最近皆、どうにも気が緩んでいないか? まだ火鉢を使う寒さでもないのに引っ張り出しているとか。寒いからとすぐ部屋に引っ込んでは、夜の見回りの際どうするんだ」

「そんな小さな事にこだわるから、若殿は狭量だと言われるのです。多少なら構わんでしょう、それで死ぬわけでもあるまいに」

「だが、小さな事を守れない人間が、どうして大きな事を守れるんだ。僕が言いたいのは、つまり――」

「皆をうんざりさせて何か得になりますか? 大殿なら、そんな事は言いませんがね」
 
/113ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ