この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
鮮やかな青
第1章 兄の存在
 







 体中が軋んで、腰が重い。尻が中からひりひりと痛んで、動くのが辛い。近く、小早川家を継ぐために婚礼の儀を行うというのに、この疲れはそれまでに抜ける気がしなかった。

 私は足音を立てないようにして、用意された部屋へ戻る。そして、すぐ荷物から一枚の手紙を取り出した。

 兄から送られた手紙。おそらくは、大内家へ向かう私を心配して送ったものだろう。受け取ったのが出発する直前で、向かう道すがら読めばいいだろうと思い、そのまま読まずに忘れていた代物だった。

 兄の手紙は、たわいもない内容の手紙だった。もう私は一つの家を背負うだけの責任を持っているのに、子どものようにあれこれ心配して書いていた。あれは持ったかとか、この作法を忘れるなとか、まるで子どもへの教本である。挙げ句紙が足りなくなったのか、次第に文字は小さく細くなっていった。

『会えばすぐ分かると思うが、大内様はあの通りのお方だ。元春と違いお前は繊細だから、人一倍辛い想いをするだろう。苦しくて、死んだ方がましかと思うかもしれない。
しかしそんな時こそ、思い出してほしい。大内様は、この荒れた中国の地を、間違いなくその身で乗り切り大身となったお方だ。全ては、未来への知恵に繋がる。学び、知恵を持って毛利に力を尽くしてほしい』
 
/113ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ