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魔法の右手
第2章 曖昧
路地裏のバーを出て更に細い道に入った場所のホテルに手を繋ぐ事も話す事も無いまま2人で向かうと店長は部屋の中に入って直ぐに抱きしめた。




「依莉……」




「……! あ、ん……っ」




抱きしめながらキスをする。




始めからずっと壊れ物を扱うかのように優しくて、男らしいと言われる私にとって、女だと思わせてくれる瞬間なんだ…。




家庭があるのに…そんなに優しくしないで……。




仕事中真剣な眼差しでキラキラとした神がかっているあの時の感じを今私が独り占めしていると思うと理性を失う。




魔法の手が私の身体を彷徨い、優しく触れていると感じるとなにもかも考えられなくなり、溺れていく…。



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