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魔法の右手
第3章 本来の私
「フッ。」




「なによ。今の話に笑うところある?」




「なんでもねぇよ。いいから、もう遅いし、帰ろうぜ。」




俺は依莉と並んで駅から5分と割と近い距離にあるから2人の実家マンションに帰って行った。




5分だって、駅から少し歩けば街灯も疎らな薄暗い道で、女1人で歩くには十分心配な道はだ。
依莉はそれを全然気にしてねぇし、私は大丈夫。となんの根拠も無い事に、女としての自覚の無さに呆れる。
しまいには、夜道にデカイ声で俺と言い争ってるから可笑しくもなる。




「ねぇ。大翔もいつも仕事終わると遅いの?」




「あぁ。あんま早く帰れる事はねぇな。今は大事な案件抱えてるし…。」




「エースだもんね〜⁈」




……。




「今度、お互い仕事が早く終わったら久々に一緒に飲まない?たまには、近況報告し合おうよ。」




「仕事が早く終わったらな。」




軽い約束をした後、マンションのお互いの家の前で別れた。




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