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魔法の右手
第4章 ドSの王子様
ん…?俺が、鈍くて鈍感?




んなわけあるか。鈍くて鈍感なのは依莉みたいな奴の事をいうんだっつーの。




……。





無言のままデスクに鞄を置いて、ミーティングに必要な資料と先方先に渡す名刺、一語一句取り零さない様にとボイスレコーダー、そしてこの日の為に仕上げた大事なCDファイルを持って会議室に向かう。このプロジェクトは何が何でも成功させなくてはいけない。




仕事モードに切り替える。




入社してから俊と俺は後ろを振り向く事もせず、第一線で走り続けている。
同期入社した奴らは何人かリタイアした奴もいるけれど、エースと言われる俺たちは俊に救われた事もあるけど、仕事中心で、なりふり構わずやってきた。




ただ……




仕事に関してだけど……。





昨日、依莉に会って恋愛に関してだけは後ろ向きなのかもしれない……。




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