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タワーマンションの恋人
第8章 * ハルキ




「俺ね、奥原さんに言われたんだ。華ちゃんのこと、絶対好きになるよ。って。」


お姫様だっこのまま、ベットルームに向かうまでのゆっくりとした道程で彼が言った。


「絶対、奥原さんの言いなりになってたまるかっ。って思ってた。だけど…」


ふわりとベットに降ろしてもらうと洗いたてのシーツから甘い柔軟剤の香りがする。


「…今は、そんなことどうでもいい。言いなりだろうが、なんだろうが、俺、華ちゃんのこと好き。」


そう言って、真上にハルキの綺麗な顔がやってくると
心臓が重たいような、苦しいような感覚。


「…嬉しい、」

そう返すと彼の唇がおでこ、頬、鼻先、唇、と降りてくる。



真剣な伏し目がちな表情が、いつも笑顔の彼とギャップがあってどうしょうもなく好きだと思った。



「…っふぁ、」


耳を彼の舌先がなぞり、声が漏れる。
熱くて滑らかに動く舌の動きをもっと感じたくて、舌が触れてる部分に神経を集中させる。


右の首筋をツゥっと彼の舌が這うとくすぐったさで、背中が浮く。


「あっ…ぅ…。」

「くすぐったい?」

そう顔を上げた彼に向かって頷けば、ウエストに伸ばされた片手がこちょこちょと動く。

「ひゃっ…!ちょっ!くすぐっ、たっ!」

笑いながら身をよじれば、彼も笑ってわたしの顔の横で手を絡めた。

「笑ってる顔も、感じてる顔も可愛い。」

彼の唇が触れて、有無も言わさず舌が入ってきた。
わたしの口内の形状を確かめるかのようにゆっくりとしたなぞるように動く。
舌の形さえ、隅々まで知るように隈なく動く。




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